4Cスキルの育成を掲げる米国発の教材が持つ本来の狙いを見極め、日本の授業文化へ。現場に合わせた緻密な再設計で、未知の教室での確実な実践を導きます。

算数・数学に特化したゲーミフィケーション型学習アプリを展開し、国内で確かな実績を誇るエドテック企業。日本市場での高い評価と成功を糧に、次なるステップとして北米市場への本格的な参入を決断しました。しかし実際に現地の教室に持ち込んでみると、教育文化の根本的な差異やカリキュラム基準の乖離が厚い壁となって立ちはだかり、深く浸透させていくためには今までにないアプローチが必要でした。
言語の置き換えやコンテンツの微調整といった表面的なローカライズは行われていたものの、北米の教育文化や授業設計、カリキュラム構造への深い洞察が欠けていました。その結果、現地の教師や学校関係者には響かず、導入は思うように進みませんでした。
私たちはプロダクトチームと密に連携し、北米市場へ向けたアプリの抜本的な再設計を遂行しました。各州のカリキュラムや到達目標を精緻に分析し、問題構成とスキルマップを現地仕様に再構築。数学的解法や解説手順も、北米の主流である「思考の言語化と概念理解」を促すスタイルへと全面的に書き換えました。
UX/UIについても現地への適合性を分析し、使用習慣になじむレイアウトや配色、操作設計へと刷新しました。現地の教師の声を反映した「授業統合ガイド」を新規作成し、40〜60分の授業に適した活用案や議論を深める質問集を提供。さらに教育関係者や意思決定者の心に届く言葉を紡ぎ、公式サイトやマーケティング資料を、教育的価値が現場に正しく伝わる表現へと転換しました。
表面的なローカライズではなくプロダクトの教育的再設計によって、本アプリは北米の教育現場に真の意味で根を下ろしました。教師からは「授業に組み込みやすく、生徒の発言や説明が格段に増えた」という確かな手応えが寄せられ、教育効果と市場適合性の両面で、北米展開の揺るぎない足がかりを築いています。
ULDは、日本と北米・欧米それぞれの学校教育を現場レベルで深く知るプロフェッショナルです。カナダでの15年以上の教員経験と、Apple Worldwide Educationチームでの4年間にわたる日本の教育機関へのプログラム展開経験を持ち、教育プロダクトがどのように設計され、実際の授業でどのように使われるかを熟知しています。この双方向の現場視点こそが、プロダクトの教育的価値を海外市場に確実に根付かせる、実効性ある教育インテグレーションを可能にします。
